こんにちは。医師転職支援会社の「メディカルプラスキャリア」です。40代・50代の医師は、臨床医として十分なご経験を積み、臨床以外でも管理者や指導者として重責を担う時期かと思います。一方で、今後の医師人生を考えると「キャリア後半戦」に差し掛かっている時期とも言えるでしょう。この時期はこれまでに培ってきた豊富な経験と実績を活かし、今後の働き方や生き方を決められる最高のタイミングと言えるかもしれません。慣れ親しんだ職場で定年まで勤め上げるのも一つの選択肢ですが、これまでの経験を活かし、新たな挑戦を考えるのも、選択肢の一つです。
本記事では、40代・50代の先生に今後の「医師人生」を考えるきっかけとして、現状や将来の選択肢を考えるポイントをまとめました。すでに転職を考えている先生はもちろん、まだ具体的に検討していない先生にとっても、一度立ち止まって今後の方向性を再確認する機会として、ぜひご一読いただけますと幸いです。
1:現状の自己分析
将来のキャリアを考える前に、まずは現在の自分自身の「棚卸し」から初めてみましょう。どこへ向かうかを知るためには、まず自分が今どこに立っているのかを知る必要があります。日々の忙しさの中で、なかなか自身を振り返る時間がないかと思いますが、以下の問いに、ぜひ正直に答えてみてください。
業務のやりがいを確認する
●今の仕事に、やりがいを感じていますか?:
診療そのものに満足していますか?患者さんとのコミュニケーション、チーム医療の推進、あるいは後進への教育や研究活動にやりがいを感じていますか?
●ワークライフバランスは理想的ですか?:
仕事だけでなく、家庭、趣味、自己研鑽に割く時間、またそれぞれのバランスは今の先生にとって適切だと感じられますか?
●今後、何を大切にしたいですか?:
収入、自由な時間、社会への貢献、専門性の追求、後進の育成など年齢や経験により価値観は変化します。先生の中で、最も優先順位の高いものは何ですか?
ここまでで「業務のやりがい」については、棚卸ができたかと思います。続いて自身でお持ちの「資産」の棚卸です。
自身の「資産」を棚卸しする
これまでの医師人生で培ってきた経験や知識は、全てが先生の貴重な資産です。見過ごしていた強みや弱みに気づくことは、今後のキャリアを考える上で非常に重要になってきます。それでは以下の棚卸しをしてみてください。
●これまでの経験、専門知識、スキルを洗い出す:
特定の専門技術(例:腹腔鏡手術、カテーテル治療)、論文執筆・発表の実績、チームをまとめるマネジメント能力など、ご自身の強みや経験を具体的にリストアップしてみましょう。これらは今後のキャリアを考えるうえで一つの方向性を示してくれます。
●人間関係(人脈)、信頼、社会的評価:
尊敬する先輩医師、刺激を与え合う同期、頼れる後輩など、これまで築いてきた人脈も貴重な財産です。これらの人脈はキャリアの選択肢を広げる大きな力となります。
●強み、弱み、そして「本当にやりたいこと」:
得意なこと、苦手なこと、そして心の底から情熱を注ぎたいことは何でしょうか?多忙な日々の中で忘れかけていた、医師になったばかりの頃の熱い想いや、医師として業務をする中で、強くひかれたことや面白いと感じられたことなど、新たなキャリアのヒントにつながることがあります。
2:キャリアの選択肢
棚卸という自己分析を通じて見えてきた方向性をもとに、具体的なキャリアの選択肢を見ていきましょう。医師の働き方は、病院の常勤医だけではありません。これまでの経験を活かしながら、自分らしいキャリアを描ける方法は多岐にわたります。どのような選択肢があるかみていきましょう。
選択肢1.「現職で昇進する・役割を変化させる」
すでに管理職として活躍されている先生もいるかと思いますが、このまま現職で勤務をつづけ、さらに上のポジションの管理職として組織の運営に関わり、病院全体の医療の質向上に貢献していく方法です。また、研究や教育に力を入れている病院であれば、臨床を離れて研究や次世代の医師育成に力を注ぐ選択肢もあります。
選択肢2.「専門は変えずに働く場所を変える」
これまでの経験や専門性を活かしつつ、働き方を変える方法も考えられます。人間関係や給与に不満があるなら、今の専門科目はそのままに、より良い環境の病院に転職するという選択肢があります。また、特定の曜日や時間帯だけ働く嘱託医や非常勤医として、体力的な負担を減らし、プライベートの時間を増やすことも可能です。近年では、複数の医療機関で働くフリーランス医師も増えており、自身の専門性を活かして自由に働くという選択肢もあります。
選択肢3.「雇われる立場から独立、開業する」
雇われる立場から、独立してご自身のクリニックを開業する方法です。患者さん一人ひとりとじっくり向き合う診療スタイル、独自の経営方針、地域に根差した医療の提供など、ご自身の理想とする医療を形にすることができます。またうまくいった場合には大きく収入を上げることができるのも魅力の一つです。
選択肢4.「診療科目の転科を検討」
これまで培った診療科目から他の科目へ転科し、ご自身のやりたいことを目指していく方法です。転科を希望される先生には、未経験でも応募可能な求人を探して転職するケースと、非常勤で一定期間経験を積み、転職するケースがあり、弊社にも転科について多くのご相談が寄せられています。ただ、やはり未経験への転科は若い先生のほうが転職はしやすく、もし転科を視野に入れた転職をお考えであれば、非常勤勤務も含めて、戦略的に転科を測ることをお勧めします。
選択肢5.「全く異なる分野への挑戦」
医師という職種を超え、全く新しい分野に挑戦する方法です。医療知識を活かしてメディカルライターとして情報発信をする、起業家としてヘルスケア関連のスタートアップを立ち上げるなど、これまでの経験を武器に異分野での活躍を選択される方もおります。
3:後悔しない決断のために
キャリアの選択肢が多岐にわたる今、最も重要なのは「後悔しない決断」を下すことです。一時の感情や漠然とした不安だけで動くのではなく、戦略的にキャリアをデザインすることが重要です。後悔しない決断をするためのステップは以下のとおりです。
➀.理想のキャリアを具体的に描く
「今の職場が不満だから転職したい」という理由だけでは、転職先でも同じような悩みを繰り返してしまう可能性があります。まずは、新しいキャリアで「何を叶えたいのか」「どういう働き方をしたいのか」を具体的に言語化してみましょう。たとえば、「週3日勤務で、残りの時間を家族と過ごしたい」「論文執筆に専念できる環境で研究を深めたい」など、具体的な目標を持つことで、進むべき道が明確になります。なぜその理想を追求したいのか、その根本にある価値観は何か、という問いを深掘りすることで、軸がぶれない確固たる決断を下すことができます。
➁.リスクとリターンを冷静に評価する
新しい挑戦を選択した場合、そこには必ずリスクが伴います。転職、開業、転科は、収入の変動、人間関係の一新、未知の業務への適応など、さまざまな変化がおきます。これらのリスクと、それによって得られるリターン(やりがい、自由な時間、収入アップ、知的な刺激など)を冷静に天秤にかけてみましょう。たとえば、収入が一時的に減少するリスクがあっても、専門性を深めることで将来的なキャリアアップが見込める、といった長期的な視点を持つことが大切です。自分にとって何が許容範囲で、何が譲れない点なのかを明確にすることが、賢明な判断につながります。
➂.一人で抱え込まず、外部の視点を取り入れる
キャリアの悩みは、一人で抱え込みがちです。しかし、客観的な視点を持つことで、自分だけでは気づけなかった選択肢や解決策が見つかることがあります。信頼できる家族や友人、尊敬する先輩医師、そして弊社のような専門の転職エージェントに相談してみるのも良いでしょう。特に転職エージェントは、医療業界の最新動向や各医療機関の情報を豊富に持っているため、先生のキャリアの「市場価値」を客観的に評価し、データに基づいたアドバイスを提供することができます。
4:まとめ/第二のキャリアは自分自身で創造するもの
医師としてのキャリアは長く、その中には様々な転機や選択肢が存在します。目の前の業務に追われ、漠然とした不安を抱えている時こそ、一度立ち止まり、冷静に自身のキャリアを見つめ直すことが、後悔のない判断につながります。40代・50代は、これまでの経験と知恵を総動員して、人生の第二章を自分らしく創造できる絶好の機会です。このコラムが、皆さまのキャリアを考える小さなきっかけとなり、輝かしい未来を描く一助となれば幸いです。
私たち「メディカルプラスキャリア」では、医師の皆さまが「自分らしく輝ける場所」を見つけられるよう、今後のキャリアパスや働き方に関する幅広いご相談をお受けしています。「こんなこと相談しても良いのかな?」と迷うような段階でも構いません。どうぞお気軽にご連絡ください。先生のキャリアを全力でサポートいたします。
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