こんにちは。医師転職支援会社の「メディカルプラスキャリア」です。
今回は医師の「転職で医師が希望年収を獲得するために『絶対にしてはいけないこと』」についてのコラムです。「今の給与は、自分の責任の重さや労働実態に見合っているだろうか?」 「専門医資格やこれまでの研鑽が、正当に評価される環境へ移りたい」と感じている先生も多いのではないでしょうか。
医師としてキャリアを積み上げる中で、誰もが一度は「自身の市場価値」と「報酬」にギャップがないか考えることがあると思います。特に、臨床経験を重ねて現場の中核を担うようになると、自身の生活設計や将来への備え、そして「プロフェッショナルとしてのプライド」からも重要なことです。
しかし医療現場という特殊な環境において、転職時の年収交渉は非常にデリケートです。一歩間違えれば、希望の条件を逃すだけでなく、入職前から病院側との信頼関係にヒビが入ってしまうリスクすら孕んでいます。本記事では、数多くの医師の転職を支援してきた現場の視点から、年収交渉において「絶対にしてはいけないこと」と、「理想の条件を引き出すための戦略」を解説します。ご自身の年収が適正な年収かどうか、また何としても希望給与で転職したいとお考えの先生は是非ご覧ください。
1:医師の年収交渉を阻む「独自のハードル」
一般的なビジネスパーソンの転職と異なり、医師の転職には特有の「文化」が存在します。その為、「もっと正当に評価されて収入もあげたい」と考える一方、交渉するには気持ちが引けてしまうとジレンマを抱えている先生も少なくありません。医師の転職市場にある「3つの独自のハードル」は次の通りです。
●医師という「聖職」としての無言の圧力:
医師は「聖職」であるという考えから、お金の話を前面に出すことが「はしたない」とされる風潮がまだ一部に残っているため、心理的に交渉がしづらい。
●経営感覚の乖離:
自身のスキルが病院経営にどれだけの収益をもたらすか、また病院経営のコスト構造など、客観的な数値で把握できている医師は意外に少ないという実情。
●把握しづらい年収相場:
地域や医局、科目ごと、また同じ科目でも業務の内容により給与が異なり、自身の経験の適正年収が把握しづらい。
これらの要因が重なり、医師のなかには「なんとなく提示された条件」を受け入れるか、あるいは「不適切なタイミングで交渉を切り出し、破談になる」という極端な結果を招いてしまいがちです。ではこのような事態を生む原因はなんでしょうか?次に、転職時に年収交渉を行ってはいけないタブーについて記載します。
2:絶対NG!年収交渉でやってはいけない4つのタブー
希望年収を勝ち取れるかどうかは、面接の場での振る舞い一つで決まります。まずは、評価を致命的に下げる「NG行動」を具体例とともに見ていきましょう。
➀.信頼関係ができる前に「希望額」を突きつける
【具体例】
消化器内科のA先生(40代)は、高い内視鏡スキルを持っていました。面接の冒頭、自己紹介の終わりに、「今の年収が1,800万円なので、最低でも2,000万円は保証してほしい」と希望条件を伝えました。
【なぜNGか】
病院側にとって、採用は大きな投資です。まだ「A先生が自院でどう活躍してくれるか」のイメージが湧いていない段階で数字を突きつけられると、経営陣は「この医師は病院や患者さん、医療体制よりも、金銭条件を優先する人物だ」と判断します。結果、スキルは高く評価されていたものの、採用は見送りとなりました。
➁.現職の「給与への不満」を交渉の根拠にする
【具体例】
整形外科のB先生(50代)は、現職の経営難から給与減の話をされたことを理由に転職を決意。面接で「今の病院は正当な手当を支払わない」現職についての不満を熱弁してしまうケースです。
【なぜNGか】
「今の場所が嫌だから」という動機は、交渉の武器になりません。そればかりか採用側は「うちに来ても、何か不都合があればすぐに不満を抱いて辞めてしまうのでは?」という懸念を抱きます。年収を上げるための交渉の根拠は「不満」ではなく、あくまで「未来の貢献」に置く必要があります。
➂.自身の「ベネフィット」を言語化できない
【具体例】
外科のC先生(30代後半)は、若手ながら手術件数も多く優秀でした。希望年収を問われた際、「相場より高めでお願いします。精一杯働きますので」と曖昧な回答に終始しました。
【なぜNGか】
病院の経営層(理事長や事務長)は、医師を「コスト」と「収益源」の両面で見ます。「精一杯頑張る」は主観的な決意であり、経営判断の材料にはなりません。具体的手術件数、手術内容、紹介患者の獲得見込みなど、実績を伝え「自分を雇うことで病院にいくらの利益が生まれるか」という相手側の視点に立ってメリットを伝える必要があります。
➃.退職が決まってから本格的な交渉を始める
【具体例】
「すでに現職に辞意を伝え、退職日が決まっている」という、いわば後戻りできない状態で条件交渉に臨むケース。
【なぜNGか】
「退職を決めてきた」という事実は、病院側に「不退転の覚悟」や「自院への強い本気度」を感じさせる大きな加点要素になります。 しかし、交渉の場においては「選択肢が少ない」と見なされるリスクを孕んでいます。他院の選考状況によっては相手方に「これ以上の条件を出さなくても入職してくれるだろう」という予断を与えてしまうと、本来引き出せたはずの好条件を引き出しにくくなるため、提示するタイミングや伝え方には細心の注意が必要です。
以上の4つが、年収交渉における主なタブーです。これらを事前に把握し、避けるための準備を整えることが、納得のいく転職への第一歩となります。 続いて、タブーを回避した上で、さらに希望年収を引き出すための「3つの戦略」を解説します。
3:成功事例から学ぶ、希望年収を勝ち取るための3つの戦略
より良い交渉結果を得るにはタブーを避けるだけではなく、好条件を勝ち取るための戦略があります。どのように交渉を進めるのが正解なのでしょうか。実際に高条件を勝ち取った先生方の3つの戦略をお伝えします。
戦略1:事前準備によるスムーズな提示
ある消化器内科の先生は、新規で立ち上げるクリニックの面接で自身のスキル・人脈を事前に整理し、以下のように伝えました。
●上部・下部内視鏡検査の年間件数と、ESD・EMR等の低侵襲治療の実績
●近隣の連携先となりえる病院との人脈(関係性があることを伝える)
●若手への内視鏡手技の指導経験
自身を採用することにより見込める収益と、解決できる課題を提示することで、クリニック側は「2,000万円払っても十分に元が取れる」と判断して当初の提示額を300万円上回る条件を引き出すことに成功しました。面接は誰しも緊張するものです。その場で咄嗟に自身の価値を言語化するのは、決して容易ではありません。 採用側にとってのメリットを事前に整理しておくことで、自身の「市場価値」を論理的に伝えられるようになり、結果として当初の提示額を上回る好条件を引き出しやすくなります。
戦略2:地域・科目別の「相場観」の徹底把握
「年収2,000万円」が妥当かどうかは、科目や地域、業務内容によってまったく異なります。
●都心の人気病院なら、1,500万円でも高水準。
●地方の公立病院や過疎地の民間病院なら、2,500万円以上の募集もある。
●クリニックの訪問診療は高年収。
転職に成功する医師は、自身の「立ち位置」を客観的に把握しています。自分一人の視点ではなく、複数の求人を比較し「このエリアのこの科目なら、年収いくらの求人があるのか」という市場価値を理解した上で、現実的なラインを定めています。
戦略3:交渉のプロ(転職エージェント)を利用する
最も確実でリスクの低い方法は、「自分でお金の話をしない」ことです。年収交渉において、医師本人が直接交渉で高年収を希望すると、どうしても「傲慢」な印象を与えてしまいます。
一方で、転職エージェントを介せば、以下のような交渉が可能になります。「先生は非常に乗り気ですが、唯一、年収面だけが他院と比較して懸念されています」「このスキルをお持ちの先生であれば、市場では〇〇万円が相場です」このように、客観的な立場から話をすることで、病院側の角を立てずに条件の改善をうながすことができます。
4:まとめ
医師としてのキャリアが深まるにつれ、転職は、人生の質(QOL)と自己実現を最大化するための方法へと変わっていきます。しかし、日々の診療に追われる中で、最新の市場相場を調べ、契約条件を精査し、医療機関と交渉するのは、物理的にも精神的にも容易ではありません。
年収は、あなたがこれまで積み上げてきた努力、救ってきた患者さんの数、そして磨き上げたスキルの「対価」です。それを適切に求めることは、決して恥ずべきことではなく、プロフェッショナルとして当然の権利です。「今の環境で正当に評価されているか自信がない」 「交渉と言っても、何から始めればいいか分からない」 「まずは自分の市場価値だけを知りたい」
そんな思いを抱えている先生は、ぜひ一度、メディカルプラスキャリアにご相談ください。
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