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【コラム】管理医師(院長)とは?メリットやデメリットなどをお伝えいたします。

コラム

こんにちは。医師転職支援の「メディカルプラスキャリア」です。
医師の転職サイトをみていると、クリニック・医院の募集で、「管理医師募集」「院長募集」などの求人情報をみかけます。
「管理医師」「院長」というと、病院で勤務医として勤務されていた先生方がすると、少しハードルが高いと感じられ、「面倒な業務が多そうだ」「責任を取らされそう」「忙しくて大変そう」といったイメージがあり、それだけで遠慮してしまう先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、「管理医師」「院長」の特徴とメリット・デメリットについてまとめますので、今後のキャリアを考える際のご参考にしていただければと思います。また、本コラムでは、募集・求人の多い「法人が運営しているクリニックの院長・管理医師(いわゆる「分院長」「雇われ院長」)」に絞ってお伝えします。

1:管理医師(院長)とは

まず、管理医師と院長の違いはなんでしょうか。
管理医師は医療施設の管理を行う医師になり、通常院長が管理医師となりますので、求人情報に掲載されている「院長」「管理医師」については業務や責任については同じものとご理解いただいてよろしいかと思います。
*院長だとしても、都道府県への管理医師としての届け出を求められるとお考えください。
*以下、「管理医師(院長)」と呼称します。

そして、「管理医師(院長)」と聞くと、「忙しくて大変そう」「重大な責任が生じてしまうのではないか?」といったイメージがあり、それだけで遠慮してしまう先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、実は具体的な仕事内容は勤務医の業務として大きく変わらないことが多いです。

まず、管理医師(院長)の一般的な募集の背景として多いのは下記のようなケースです。

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●開業医が事業を法人化し新しく分院を開院する際、その分院(場合によっては本院)の院長として募集を行う場合。
●病院を母体として、サテライトクリニックを設立する際に、そのクリニックの院長として募集を行う場合。
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病院や本院があり、新規開院や現在の分院長の退職に伴う募集ですが、すでに母体となる病院や本院が存在しており、そのため経営にかかわる経理や人事機能など、いわゆる法人本部としての機能はすでにあるため、管理医師(院長)にそれらを求めることないケースが多いです。

医師転職サイトに記載されている求人内容を読み込んでいただくと「診療に集中してもらえる環境を作っています」「経営については本部が行います」など記載されていることが多く、実際の業務は「勤務医として働いてもらいたい」「勤務医以上の仕事を求めていない」というケースも多く、診療をメインにご勤務いただくことが可能になっています。

自身が開業医としてクリニックをオープンした場合には自身で、経営やマネジメント、人事等について行う必要がありますので、「診療だけをメインに行う」というのはなかなか難しくなりますが、管理医師(院長)はこういった業務を本部や事務が担当し、「診療に集中してもらう」という形です。

前述の通り都道府県への管理医師としての届け出は必要となりますが、実際の業務は勤務医と大きく変わることはありません。
それでは、それ以外については、どんな違いがあるのか?まずはメリットから見ていきたいと思います。

2:管理医師(院長)のメリット

それでは管理医師(院長)としてのメリットは何でしょうか。
開業医や勤務医と比べた場合、それぞれとどのような違いがあるのでしょうか。

まず開業医と比べ管理医師(院長)では、どのような違いがあるのか、これは多くの医師が心配する「経営の困難さや借金の負担」といった問題が、管理医師(院長)にはありません。
資金の集めや医療機器の購入、分院開業に必要な資金を自身で求める必要もなく、資金について責任を負う必要がありません。
給与面でも開業医は集患ができなければ、職員の給与を優先させ自身の給与を抑える必要がありますが、「管理医師(院長)」は、勤務医と同様に契約した給料を決められた通りに受け取ることができます。
そしてこの給与面も勤務医と比べた場合大きくUPするのが一般的です。

さらにその上で、法人の理事長の考え方にもよりますが、診療方針について自身の考えなどを反映させることもできるケースもあり、クリニックのトップとして自身の考える診療を実現することも可能になっています。

■メリットまとめ

●将来、開業を希望する場合、初期投資が不要で経営のノウハウを学ぶことができる。
●診療に集中できる環境が多い。
●クリニックのトップとして、診療方針など一定の自身の色を出すことができる。
●採用や経理関係などクリニック運営に必要なことは、医療法人の本部・事務長などが対応してくれる。
●勤務医の時よりも高い給与を得ることができる。
●給与や待遇は、患者の来院数にあまり左右されず、安定しており、さらに増患・増収の際にはインセンティブなどでさらに高額の給与を得ることがある。
●当直や夜間・休日の呼び出しをする必要がない
*訪問診療や有床クリニックなどは夜間対応の可能性はございます。

3:管理医師(院長)のデメリット

次に、「管理医師(院長)」のデメリットについて考えてみましょう。
管理医師(院長)として医療法人の理事に就任する必要(一部例外あり)があり、理事会への出席や法的な責任が問われる可能性があるというデメリットがあります。
理事会については数か月に1回程度、最近ではオンラインで行っているところもあり、また責任ついては一般的に要求される善管注意義務を負いますので、管理医師(院長)になる際には、理事会の内容や定款における理事の免責範囲や、保険加入の有無などについても、確認されることをおすすめします。

こういったことも将来の開業をお考えであれば、大切な経験になるかと思います。

■デメリットまとめ

●理事長の方針により自身の選択の幅や業務の内容が異なる(入職前の確認が必要です)
●管理医師(院長)としての責任が問われるため、管理責任が発生することがある。
●院内設備や医療機器の購入、人事に関する権限を持たない場合が多い(新規開院時などは相談可能なケースもあり)
●定期的な理事会への出席がもとめられることもある。
●診療以外の業務(労務管理や医師会への参加など)が増える可能性がある(ただし法人側がすべてやるケースも多い)

4:雇われ院長に向く人

先ずは下記表をご覧ください。

開業医・管理医師(院長)・勤務医比較の図解

開業医は自身の責任においてクリニックを経営していくため、責任や負担が大きいですが、その分自由度が高く、また経営がうまくいった際には大きい収入を得ることができます。
反対に勤務医の場合は、経営責任などはありませんが、法人の決めた方針に沿って業務を進めることが必要とされています。

管理医師(院長)はちょうどその間にあり、一定の責任や負担があるが、診療方針に自身の考えを反映させたり、クリニックの患者様が増えた場合にはインセンティブが出たりなど収入についても増加を見込むことが可能です。

病院勤務医とはことなり、当直や救急対応などの業務の負担はないケースが多く、収入が上がるメリットがあり、将来開業を目指している医師のステップアップやもしくはライフステージの変化に伴い、働き方を変えたい先生方にマッチしてるのではないでしょうか。

転職先を考えるためには、収入や働き方・業務内容などのバランスを考えることが必要ですが、参考までに「管理医師(院長)に向く先生」を上げたいと思います。

■雇われ院長がマッチしている方

◆将来キャリアプランに開業を考えている、もしくは選択肢にある。
管理医師(院長)としてどうすれば集患できるか等、経営に必要なものを学ぶことができ、またクリニック経営における課題などを肌で感じることができる
◆収入を上げたい。
多くの場合、勤務医として働くよりも高給での転職が可能です。またインセンティブなど自身の努力でより高い収入を得ることができる求人もあります。
◆自身の考えも診療方針に反映させたい
前提として、法人の方針に従う必要がありますが、それでも「管理医師(院長)の考えをできるだけ反映させたい」とお考えの理事長も少なくありません。入職前の面談などで相談をしてみれば、自身の考えを反映させることができるかもしれません。
◆当直などの業務負担を下げ、オンとオフを切り分けたい
管理医師(院長)の求人はクリニックでの募集がほとんどです。
そのため当直がない、重症者が来ないなど業務負荷を下げることが可能です。病院の勤務医では当直を回避するとそのまま収入減につながってしまいますが、管理医師(院長)に転職することにより防ぐことが可能です。
※訪問診療や有床のクリニックは除く

5:まとめ

今回は、「管理医師(院長)」のメリット・デメリット、さらに適した先生の特徴について紹介しました。

多くの先生が「管理医師(院長)」と聞くと、医療機関の責任者というイメージを持ち、開業医と混同して、実際のリスクより過剰に考えてしまう傾向があります。管理医師(院長)には勤務医よりも高い給与と安定性があり、医院経営に関する経験を積むことができるメリットがあります。

もちろんその一方、医療法人の理事長がどのような考えで「管理医師(院長)」を募集しているのかにより、業務内容や責任、自身の色をどこまで出せるのかなど幅があるのも事実です。
興味のある管理医師(院長)の求人があった際には、担当のエージェントに「この求人の管理医師(院長)は、診療以外にどんな仕事があるのか?自身の考えを反映できるのか?」など確認してみることをお勧めします。

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