こんにちは。医師転職支援の「メディカルプラスキャリア」です。本日のコラムは「医師だからできる!夢の実現、老後の不安も解消できる資産形成・資産運用」について解説致します。
1:医師の収入と支出、資産形成の重要性
令和5年賃金構造基本統計調査によると、医師の平均年収は1,436万円(男性1,521万円、女性1,148万円)となっており、日本人の平均年収は約458万円になりますので、およそ日本人の平均年収の3倍の収入を得ていることになります。収入が高い一方で、生活レベルも相応に上がり、支出も増える傾向があり、例えば、住居や車、食事、旅行にかかる費用が増えるだけでなく、「子供も医師にしたい」という思いからの教育費や、「独立開業したい」というキャリアプランを実現するための開業資金などが必要になる場合もあります。そのため、計画的な資産形成・資産運用が非常に重要です。
この記事では、医師の皆様に向けて、効果的な資産形成・資産運用の方法をご案内します。ご興味のある方は是非ご覧ください。
2:資産形成・資産運用のはじめに
まず、資産形成・資産運用の基本的な考え方について、金融庁のホームページに記載されていますのでご紹介します。
人それぞれライフスタイルが異なりますので、お金が必要なタイミングや金額も人それぞれに異なります。自分自身にはどのような資産形成・資産運用が必要なのかを考えるためにも、まずは下記をご確認ください。
・資産形成:ゼロから資金を貯めていくことを指します。
・資産運用:すでに形成された資産を、さらに増やすために行う活動を指します。
➀.家計管理
家計管理の基本は、収入と支出を正確に把握し、収支を黒字にすることです。そして、その黒字分を計画的に貯蓄や投資に回すことで、将来の希望や計画に備えることが大切です。
例えば、給料日に一定額を自動で貯蓄用口座に移すなど、先に貯蓄・投資に回し、残りのお金で家計をやりくりすることもおすすめです。
➁.ライフプランニング
将来の希望や計画を具体的に描くことを「ライフプランニング」と呼びます。
現在では、働き方、家族構成、住まいなど、各々の価値観に応じて多様な選択肢があります。自分の望むライフプランを考えるとともに、その実現にどれだけの費用がかかるか、予期せぬ事態に備えるための準備、そしてそれが必要になる時期についても確認をしてください.
現在の家計状況や将来の希望・計画を確認し、保有している資産の全体像を把握した上で、資産の運用先を検討することが重要です。
次に医師におすすめの「投資」についてお伝えいたします。
3:医師におすすめの投資方法
投資の目的には、老後資金の準備、子供の教育資金、マイホームの購入、開業資金、ほかにもさまざまなものがあります。これらの目標を達成するために、医師におすすめの投資方法をご紹介いたします。
➀.確定拠出年金「iDeCo」
確定拠出年金は、掛け金を自身で運用し、資産を形成・運用する年金制度です。
自助努力の制度であるとiDeCoと福利厚生である企業型DCがありますが、企業型DCについては導入している医療法人がまだ多数ではないため、今回は個人で入れるiDeCoの説明を致します。
iDeCoは、前述のとおり自分自身が拠出した掛金を、自分で運用し、資産を形成する年金制度です。掛金は一定の条件があるものの65歳になるまで拠出可能であり、60歳以降に受け取ることができます。
iDeCoのメリットとしては以下の3つになります。
●掛金が全額所得控除になります。
掛金に上限があるため、いくらでもというわけではありませんが、掛金全額が所得控除の対象となります。
ご自身の年収でどの程度税制の優遇が行われるか下記のiDeco公式サイトで確認ができますのでご興味のある方は是非お試しください。投資での収益のほかに、税制面でのメリットもあるのがiDecoの大きいメリットです。
●運用益も非課税で再投資が可能です。
通常の投資では、運用益に約2割の税金が課税されます。しかし、iDeCoでは税金がかからず、運用益がまるごと再投資されるため、資産がより効率的に増えるといメリットがあります。
●受け取る時も大きな控除があります。
iDeCoは年金か一時金で、受取方法を選択することができ、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となり受けとるときも控除を受けられるメリットがあります。
多くのメリットがあるiDeCoですが、デメリットもあります。
ひとつは、原則として、60歳になるまでは受給できませんので、ライフプランを考慮した掛け金にする必要があります。ふたつめには、給付額が運用成績により変動し、場合によっては元金割れをする可能性もあることです。詳しくは、iDeCo公式サイトをご覧ください。
*参考:「iDeco公式サイト」
https://www.ideco-koushiki.jp/simulation/
➁.NISA(少額投資非課税制度)
2024年からスタートした新NISA制度により、多くの人がNISA(少額投資非課税制度)を活用しやすくなりました。口座開設数も急増しており、今まさに注目が高まっている制度です。
NISAのメリットとしては、売却益や配当金について税金がかかりません。投資信託や株式などの金融商品に投資して利益を得た場合、通常は約20%の税金がかかります。しかし、NISA口座で投資した金融商品から得られる利益は非課税となり、税金を気にせず投資を行うことが可能です。
ただしiDeco同様にNISA口座で投資できる金額の上限や扱える金融商品は決まっています。特に金額の上限については高収入である医師の皆様には気を付けていただくポイントかと思います。
なお、新NISAは前述のとおり、2024年に新制度となっておりますので、その変更点やポイントは下記のとおりです。こちらも詳しく知りたい方は金融庁のNISAホームページをご覧ください。
☑非課税保有期間が無期限に変更されました。
☑制度(口座開設期間)が恒久化に変更されました。
☑つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になりました。
☑年間投資枠が最大で年間360万円に拡大しています。
☑非課税保有限度額(総枠)が最大1,800万に新設されました。
☑非課税保有限度額(総枠)の再利用が可能です。
*参考:金融庁「NISA公式ページ」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/
➂.不動産投資
つづいて不動産投資についてです。
医師は、一般的なサラリーマンの約3倍の平均年収を得ていますので、将来の相続税対策も重要となります。不動産投資のメリットは、収益を得るだけでなく、節税や相続対策にもなりますので、不動産投資のメリットについて解説を致します。
【家賃収入による副収入】
安定的な家賃収入を得られる不動産投資は、高収入である医師の投資先として選択肢の一つです。医師は、高い収入と社会的信用度から、金融機関からの融資を受けやすいため不動産投資もはじめやすいというメリットがありますが、当然返済義務が生じますので、融資を受ける際は収益のシミュレーションと、借入の金額や金利を慎重検討することが必要です。
【相続税対策としての投資】
不動産投資は、前述のとおり将来の相続税対策としてもメリットがございます。その理由は、不動産は相続時に時価ではなく、時価よりも低い相続税評価額で評価されるという特徴があるからです。
現金や預金はそのままの額で評価されるのに対し、不動産の場合は現金や預金の約7~8割程度と低く評価されることが多いため、相続税の節税メリットでてきます。
また、購入した不動産を収益用不動産として貸し出している場合、賃貸部分の割合に応じて、不動産の相続税評価額がさらに控除されるため、より節税効果が高くなります。
ただ、不動産投資の節税対策は仕組みが複雑ですので、不動産投資を検討する場合は、税理士など専門家のアドバイスを求めることも検討が必要です。
④.保険商品
保険商品を選択肢として検討することも大切です。貯蓄性の高い終身保険や養老保険は、資産形成と節税を同時に実現できる代表的な保険商品だからです。
➂-1. 貯蓄性の高い保険商品のメリット
保障を持ちながら資産形成が可能で、貯蓄と保障を同時並行できる保険です。
お金を受けとる際は以下のようなケースがあります。
●解約返戻金: 加入後一定期間を経過すると、契約年数に応じて解約返戻金が増加します。
●満期金:満期のある商品では、利率に応じて満期時にまとまった資金を受け取れます。
●死亡・高度障害保障:万が一死亡や高度障害になった場合、保険金が支払われます。
➂-2. 節税効果
保険料は、一定額まで所得控除の対象となり、所得税や住民税の軽減に繋がります。
➂-3. 相続税対策にも有効
保険金には相続税の基礎控除とは別枠で、法定相続人1人当たり500万円の非課税控除枠が設けられています。そのため、保有資産が大きくても、例えばお子様が多い場合にはその分法定相続人も増えますので相続税対策としても大変有効となります。
4:医師が投資で成功するためのポイント
ここまで投資の種類についてお伝えしましたが、実際に選ぶときにはどのような点に注意が必要でしょうか。投資する先や金額を考える際のポイントは以下の通りです。
●必要な知識を身につける
投資を始める前に、十分な知識を身につけることが重要です。書籍を読んだり、セミナーに参加したり、税理士やFPに相談したりすることで、投資に関する知識を深めてから投資を判断していくことが大切です。
●ご自身の状況に合った投資方法を選ぶ
リスク許容度や金額、ライフプランなどを考慮し、無理のない範囲で投資することが重要です。生活資金や将来の教育資金など、必要な資金を確保した上で、投資を検討していく必要があります。
●長期的な視点で、着実に資産を築く
投資は、一攫千金を目指すものではありません。短期的な利益に惑わされず、長期的な視点でコツコツと資産を積み上げていくことが大切です。焦らず、時間をかけて資産を育てましょう。
●分散投資する
株式、債券、不動産、金など、様々な種類の資産に分散投資することで、個々の資産の値動きによる影響を抑え、リスクを軽減することができます。
4:まとめ
今回は、医師の資産形成・資産運用についてご紹介しました。将来の安心やご自身の目標を達成するためにも大切なことですが、リスクもありますので、現状と目的を考え、また資産運用について十分な理解をし、場合によっては専門家に相談をしながら、ご検討してみても良いかもしれません。
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また今回は資産形成・資産運用についてのコラムでしたが、「医師の平均年収と、収入をアップさせる方法」についても合わせてご一読いただけますと幸いです。