こんにちは。医師転職支援の「メディカルプラスキャリア」です。今回の記事は「年収2,000万円を超えるための医師転職戦略」というテーマでお送りいたします。他の職種と比較すると高額な年収である医師ですが、年収2,000万円以上になると、医師の中でも上位の年収となってきます。医師としてのキャリア形成を考える上で、業務内容や職場環境と合わせて年収も大切な要素です。「年収もしっかりあげていきたい」とお考えの方や若手医師を含め今後のキャリアをどのようにしていこうか迷っている方は、本記事を是非ご参考いただけますと幸いです。
1:年収2,000万円以上の医師の割合
厚生労働省が毎年発表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、医師の平均年収は「約1,436万円」(平均年齢46.1歳、平均勤続年数8.4年)となっております。では実際に年収2,000万円を超えている医師はどの位の割合になるのでしょうか。
少し前のデータとなりますが、十分参考値となりますので「独立行政法人 労働政策研究所・研修機構が実施した『勤務医の就労実態と意識に関する調査』」からご紹介いたします。この調査によると、全体の10%、1割の医師が2,000万円以上の年収となっています。
*出典:独立行政法人 労働政策研究所・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(2012年9月)https://www.jil.go.jp/institute/research/2012/documents/0102.pdf
全体の約6割が年収1,000万円~2,000万円未満で、年収2,000万円を超えている医師は10人のうち1人という数値になっています。では、経験を積んでいけば自然と年収2,000万円に届くのでしょうか。つづいて、年代別の医師平均年収を見てみましょう。
2:年代別の医師平均年収
令和5年賃金構造基本統計調査によると、5歳毎に区切った場合の平均年収は、下記の表の通りになります。
女性医師はライフイベントの影響を受けやすく、そのため男性医師に比べて平均年収が低い傾向にありますが、経験を積むことで徐々に年収が上がっていきます。一般的に、50代前半で最初のピークを迎え、続いて60代後半で二度目のピークが訪れます。
ただし、年齢が高くなると調査対象の数が減少し、データに偏りが生じることがあります。それでも、どの年代でも平均年収が2,000万円を超えることは少なく、年収2,000万円以上を目指すには、別のアプローチを考える必要があります。
それでは、具体的に年収2,000万円以上を達成するための方法についてご紹介いたします。
3:年収2,000万円以上となるための方法
本章では、年収2000万円以上を達成するための4つのポイントを厳選してご紹介します。
➀.給与が高い医師求人を探し、転職する
➁.給与が高い科目に転科する
➂.給与が高い地域への転職
➃.開業する
それでは順に見ていきましょう。
➀.給与が高い医師求人を探し、転職する
大学卒業後は医局に所属し、ご勤務をされる方も多いと思いますが、給与アップを考えた場合、医局を退局し、市中の病院やクリニックで勤務する方法があります。
2024年7月現在、メディカルプラスキャリアでお預かりしている医師求人で確認してみると、クリニック求人のうち「年収2,000万円可(以上)」となっている求人が60.8%となっており、約6割の求人が年収2,000万円を目指せる求人となっています。
また「管理医師・院長募集」求人に限ると、71.7%の求人が「年収2,000万円可(以上)」となっておりますので、クリニックの「管理医師・院長募集」求人では多くの場合、年収2,000万円に手が届く範囲となっております。
また、病院の求人で見ると、病院全体の求人のうち37.2%が「年収2,000万円可(以上)」になっており、クリニックと比べると低い割合になっておりますが、これは病院の場合、若手医師を積極的に採用する求人や、クリニックに比べ「管理医師・院長募集」のポジションが少ない事が要因と考えております。
それでも「年収2,000万円可(以上)」の求人が37.2%となりますので、役職を任せられるほどの経験を積んだのちの転職であれば、年収2,000万円を超える可能性はございます。
➁.給与が高い科目へ転科する
前項で「経験を積めば年収2,000万円以上の転職をすることが可能」と記載しましたので、経験年数が短い若手医師が年収2,000万円以上になるのは難しいとお考えになるかと思いますが、方法はございます。その一つが転科です。給与が高い診療科もしくは業務内容を行うことにより給与を上げる方法で、代表的なのは自由診療(美容など)や訪問診療が挙げられます。
自由診療(美容など)は未経験から応募可能となっている求人もあり、入職時から年収2,000万円以上の提示もあります。業務の特性から若手医師が求められることもあり、若手医師が年収2,000万円以上の収入を得る一つの方法となっています。
ただ、注意が必要な点としては、業務内容や契約内容の精査です。
業務内容の注意点として、美容外科や美容皮膚科のようなオペや手技が求められる自由診療もあれば、問診のみの自由診療もあります。前者であれば業務をしながら、症例を積み、手技を身につける事ができますが、問診のみの場合ですと、手技を身につけることができません。そのため、次に転職が必要となった際に「手技の経験を求められない求人先」を探す必要があり、必然的に転職先の選択肢の幅が狭まります。問診のみの業務を選択される場合には、次の転職が必要となった時に備えて、例えば、空いている曜日に手技を身につけられる非常勤先を探して、ご経験を積まれることをお勧めいたします。
また、契約内容の注意点としては、入職を決めた施設との契約が、雇用契約ではなく業務委託契約のケースや、新規開院のための管理医師募集の場合は、法人での開業ではなく、個人名義での開業を求められるケースがあります。転職エージェントを利用されているのであれば、担当エージェントとしっかり相談しながら、どのようなリスクがあるのかについてもチェックし、その上で判断することが大切です。
訪問診療については、「未経験応募可能」となっている求人も多くございますが、それでも一般的な内科などの診療経験を求められるケースもあります。一般内科の診療経験がまったくない場合ですと、入職時から年収2,000万円以上になるのは難しいですが、数年間、訪問診療の経験を積んでいただいた場合には、その後の転職にて年収2,000万円に届く可能性が大いにあります。また今後の訪問診療の需要も考えますと、給与だけではなく「地域に根付き、長く医師として働いていきたい」とお考えの先生には選択肢になるかと思います。
➂.給与の高い地域への転職
「給与が高い医師求人に転職する」と近しいですが、「給与が高い地域への転職する」という方法もあります。医師の求人についても需要と供給があり、都心部の医師が集まりやすい地域と、地方の医師が集まりづらい地域では年収の提示額に差がでてきます。
2024年7月現在、メディカルプラスキャリアでお預かりしている求人で確認すると、都心部である東京・神奈川・埼玉・千葉で常勤を募集している全求人のうち、年収2,000万円提示が可能な求人は約42%になり、大阪府では約43%となります。
一方、東北地方では全求人のうち約72.5%、また北海道では全求人のうち約76.8%が年収2000万円以上の求人となっております。
地方の求人は給与面では魅力的ですが、都心部にお住いの先生は引っ越しを検討する必要がでてきます。転居することにより、生活環境が変化しますので、ご自身だけでなくご家族の生活も考え、慎重に検討する必要があるかと思います。
しかしながら、地方では医師不足で大変苦労されている地域も多く、もし、転居が許されるご状況であれば、是非地方でのご勤務もご検討いただければと思います。
➃.開業する
転職ではありませんが、年収を上げる方法として「開業」という方法もあります。
厚生労働省が発表した「第23回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告-令和3年実施-」によれば、開業医の年間の平均医業収益から従業員への給与や経費を引いた金額が約2,491万円となっており、こちらが開業医の平均年収となります。
また医療法人を設立し、複数の分院を運営することにより、より高い年収を得ることが可能ですが、リスクも小さいわけではありません。
医療の知識・経験だけでなく、クリニックを運営していく経営ノウハウや職員の採用やマネジメント、何より売上を上げ利益を残すためにも集患できるかどうかが重要です。
新規で開業した場合には認知と集患対策が必要となり、運転資金にて経営を行いますが、十分な売上が上がらず、運営資金が尽きてしまうと自己資金の持ち出しとなってしまう可能性もございます。
少しでもリスクを抑える方法として、新規開業ではなく、現在あるクリニックを継承していくという方法もあります。すでに運営しているクリニックですので、患者さんもついており、引き継いてからすぐに売上を上げることができ、経営が安定した状況から独立開業を行うことができるメリットがあります。
こちらについては弊社別事業にてクリニックの継承事業をおこなっておりますので、こちらにお問い合わせください。
4:まとめ
ここまで年収2,000万円以上になるための方法を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
メディカルプラスキャリアでは医師の方々の希望する勤務条件やライフスタイルを詳しくお伺いし、地域や診療科目の視点を取り入れた転職戦略を立てご提案しています。
現在の勤務条件や年収、ご自身のやりたいことが今の環境では実現できないと感じている医師の方は、ぜひメディカルプラスキャリアにご登録ください。
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