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【コラム】自由診療とは?保険診療との違いを徹底解説

コラム

こんにちは。医師転職支援会社の「メディカルプラスキャリア」です。
本日は「自由診療とは?保険診療との違いを徹底解説」をテーマにコラムを展開してまいります。多くの先生はご卒業後、医局に在籍し「保険診療」に従事されている方が多いかと思いますが、反対に「自由診療」については、ご経験のない先生も多いのではないでしょうか?このコラムでは、「自由診療とは何か」「保険診療との違いは何か」を詳しく解説いたします。常勤での転職や、非常勤先をお探しの際の参考に是非ご覧ください。

1:保険診療と自由診療

では早速、「保険診療」「自由診療」の違いについて、順に見ていきましょう。

1-1. 保険診療とは?

まず、保険診療について改めて確認したいと思います。
保険診療とは、国民健康保険や健康保険などの公的保険制度に加入している人のすべてが、どの医療機関でも同じ内容の診療を同じ金額で受けられる制度のことです。患者さんが病気やケガで病院にかかる時、どこの医療機関で診療を受けても診察内容が同じであれば金額は変わりません。これは国民健康保険法や健康保険法によって、あらかじめ病気に対する治療方法とその診療報酬が決められているためです。

1-2. 自由診療とは?

つづいて、自由診療とは何でしょうか。
自由診療とは、厚生労働省が承認していない治療や薬を使用する診療で、保険診療が適用されない診療です。治療費は全額が自己負担となります。「保険外診療」とも呼ばれ、特定の患者さんに有効だと医師が判断し提供される保険外診療や、美容目的の医療提供が主となります。医療提供に対する料金は、医療機関が自由に設定できるのが大きな特徴であり、治療内容や料金の決め方に制限がないため、同じ内容でもクリニックにより料金が違います。また働く医師から見た場合、料金設定が自由ですので、盛況しているクリニックでは高額な給与で勤務することも可能となっております。

2:保険診療と自由診療の違い

保険診療、自由診療それぞれに特徴がありますが、まとめると下記のようになります。

項目 保険診療 自由診療
医療費の負担 原則 3 割(年齢、所得により異なる)。 全額自己負担(10 割)。
治療内容 国民健康保険法や健康保険法などにより、疾患ごとに治療内容や診療報酬点数が定められている。 医療機関が自由に決定。
治療の選択肢 ある程度の制約がある。 日本国内では未承認でも海外では高い効果が認められている治療法を選ぶことが可能。
高額療養費制度 利用可能。 利用不可。
メリット 医療費の負担を軽減しながら治療を受けることができる。 ・患者さんの体質や状態に合わせた診療を提供できる。
・新しい医療技術や医薬品を取り入れることができる。
・オーダーメイド医療が提供しやすくなる。
デメリット 治療法にある程度の制約がある。 ・医療費が高額になることも。
・未承認の検査・治療法として安全性が証明しにくいことがある。
・提供する検査や治療の選択肢が材料費・高額になりがちでコストが増すことがある。
・トラブルに発展するケースがある。

患者さんからみた保険診療のメリットとしては、やはり医療費の自己負担の割合が低いこと、また安全性が高いことがあげられるでしょう。自由診療のメリットとしては海外で高い効果が認められている治療法などを選ぶこともでき、選択肢の幅が広いことがあげられます。

それでは次に、自由診療にはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的なものを紹介いたします。

3:代表的な自由診療

自由診療となる治療や検査は様々ありますが、代表的なものとして、がん治療美容医療が挙げられます。

がん治療(遺伝子検査等)

放射線治療は通常、保険診療が適用され、高額療養費制度の対象となります。ただし、高精度放射線治療(体幹部定位放射線治療:SBRTや、強度変調放射線治療:IMRT)では、一部、自由診療(保険診療外)になる場合があります。また、比較的新しい薬である分子標的薬やコンパニオン検査、免疫療法剤の使用においても、がんの種類や進行度合いによって保険適応外となるケースがございます。

美容医療(美容外科・美容皮膚科・痩身クリニックなど)

自由診療が多い診療科として代表的なのが美容外科や美容皮膚科です。乳がん術後の乳房再建など、一部では保険が適応されるものもありますが、一般的な美容整形やボトックス注射など、美容医療の多くが自由診療として提供されています。

その他、代表的な自由診療としては下記のようなものもございます。

・レーシックやICLなどの視力矯正手術
・子宮がん検診(保険適用のケースもあり)
・胃内視鏡検査(保険適用のケースもあり)
・男性型脱毛症(AGA)治療
・人間ドック
・インプラント
・歯列矯正

様々な自由診療があるのがわかりますが、次に自由診療のメリット・デメリットをもう少し深堀りしたいと思います。

4:自由診療のメリットとデメリット

医療機関や医師からみた自由診療のメリット・デメリットをもう少し詳しくみていきましょう。まずは自由診療のメリットからお伝えいたします。

4-1. 自由診療のメリット

医療機関や勤務する医師から見た場合のメリットは下記の通りになります。

・患者さんの治療の選択肢を増やせる
・新しい医療技術や医薬品を取り入れることができる
・オーダーメイド医療が提供しやすくなる
・保険点数に制限されることなく利益を増やせる

もちろん、各医療機関の考えや体制により制限はありますが、自由診療全体としてみた場合、患者さんの要望に応じて、細かな検査や治療ができるため、個々の体質や状態に合わせた診療を提供できる点が大きなメリットです。また、保険診療と比べて、医療機関の利益幅を高められるのも事実ですので、医療機関としては収益を上げやすく、また勤務する医師からすると高給を得られる可能性も高いです。

4-2. 自由診療のデメリット

反対に、自由診療のデメリットはどのようなものでしょうか。医療機関や勤務する医師からみたデメリットを確認したいと思います。デメリットとしては下記のようなものがあげられます。

・患者さんが負担する医療費が高額になるため、集患の妨げとなる可能性がある
・未承認の検査・治療法として安全性が証明しにくいことがある
・提供する検査や治療に必要な機器や材料が高額になりがちでコストがかさみやすい
・高額な料金を払っているため、期待通りの成果がでないとトラブルに発展するケースがある
・自由診療のみの勤務ですと、診療科により専門医の維持が難しい場合もある

自由診療として提供する薬剤や検査キット自体が、やや高額に設定されているケースも少なくありませんので、経済的な不安を抱える患者さんには提供が難しい場合があります。また国内未承認とされる薬剤を使用する場合、エビデンスがあったとしても、安全性の保証という点で承認薬との差が生じてしまうのもデメリットといえるでしょう。さらに、最近では自由診療をおこなっている医療機関が倒産するケースもあり、価格競争の影響で経営が厳しい医療機関もございます。

5:まとめ

自由診療は保険診療と比べて治療の制限が少なく、多様な選択肢を提供してくれるのが特徴です。患者さん自身の身体や病気に合わせた柔軟な行為が実施でき、日本では未承認の先進治療を受けられる点も見逃せません。一方、公的保険が使えないため自己負担が全額になるため、患者さんの負担が大きく、またトラブルの発生や医療機関の経営の不安定さもはらんでいるというのが実情になっています。

ただ、保険診療も自由診療も医師として携わるのであれば、継続した知識の取得や手技等の経験の積み重ねが必要なのは変わりません。もし、自由診療の領域に転職をお考えであれば、キャリアアップ可能な求人をご案内させていただきますので、是非メディカルプラスキャリアまでご相談ください。

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