こんにちは。医師転職支援会社の「メディカルプラスキャリア」です。本日は「整形外科医のキャリアを考える ― 転職で広がる選択肢と理想の働き方を見つけるために」をテーマにお伝えいたします。
整形外科医として日々診療に取り組むなかで、「このまま今の職場で働き続けるべきなのか」「今よりも自分に合った環境があるのではないか」と考えることはありませんか?実際、私たちが先生方とお話する中でも、「大きな不満があるわけではないけれど、このままでよいのか」そんな声を耳にすることが多くあります。本記事では、整形外科医がこれからのキャリアを考えるうえでの選択肢や市場の動向、キャリア設計のポイントについて整理しました。今、転職を考えている先生だけでなく、すぐに転職を考えていない先生も、是非最後までご覧ください。
1:整形外科医の転職市場 ― 求人動向と医療現場のニーズ
整形外科医の転職市場では、病院からクリニックまでさまざまな医療機関で医師の募集が行われており、今後も少子高齢化の進行にともない運動器疾患の増加が予想されます。整形外科医の転職市場は引き続き売り手市場といえるでしょう。現在転職市場では、以下のような求人募集が見られます。
病院勤務(オペ有り・オペ無し)
人工関節置換術、脊椎手術、外傷対応など、手術症例を維持したい病院のニーズは引き続き高い状況です。特に地方の基幹病院や急性期病院では、整形外科医の確保が課題となっている施設も多くあります。一方オペ無しの求人もあり、病院内でオペを担当する医師と、外来をメインとする医師で役割分担をするケースもございます。
クリニック勤務(外来・リハビリ中心)
外来とリハビリテーションを中心としたクリニック求人です。当直やオンコールがなく、時間的な負担を減らせることから、働き方を見直したい医師に選ばれるケースもあります。また将来開業を考えている医師が、まずはクリニックの運営を経験するために、病院からクリニック勤務(院長職)に転職するケースもあります。
自由診療
再生医療(PRP療法など)を取り入れた自由診療型クリニックも増えています。保険診療の枠を超えて専門性を活かしたいと考える医師にとって、新たなフィールドとなっており、また既存の保険診療を行っていたクリニックがPRP療法を開始するケースなどもあります。自由診療では、患者さんの自己負担が大きくなる分、医師への信頼や期待も高くなります。そのため、専門医資格の有無や専門領域での経験を重視する求人が多い傾向にあります。
開業・クリニック継承
経験を積んだのちに、独立して開業していくというキャリアです。しかし、新規開業はリスクが高いと感じられること、また地域によっては開業規制の議論がなされている中で、既存クリニックの継承(第三者承継)という選択肢も注目されています。開業の負担を抑えながら独立できる方法として、興味を持つ医師が増えている分野です。
このように、求人先の特徴や求められる役割はそれぞれで異なります。それでは実際に、どのような視点で自分に合った働き方を整理すればよいのでしょうか。次に、キャリア選択のポイントについてご紹介します。
3:キャリア選びで大切にしたい5つの視点
転職を検討するにあたり、最も大切なのは「自分が何を大切にしたいか(優先順位)」という視点です。この部分が曖昧なままだと求人選びでも迷いやすく、結果として転職後の満足度にも影響してしまいます。以下のようなポイントを一度棚卸ししてみることをおすすめします。
■ 手術を続けたいか、減らしたいか
手術件数を積み重ねたいのか、そろそろ手術から少し距離を置きたいのか。
この選択は、勤務先選びに大きく影響する重要なポイントです。
■ 勤務時間や休日の希望
当直・オンコールの有無や、休日の取り方など。ワークライフバランスを重視するのか、業務内容を優先するのか、自分にとっての優先順位を明確にしておくことが大切です。
■ 専門分野を深めたいか、幅広く診たいか
脊椎や人工関節などの専門領域に特化するのか、幅広い整形疾患に対応する地域医療を志向するのか。どちらを重視するかで、選ぶべき環境は変わってきます。
■ 将来的に独立を考えているか
開業や院長ポジションを視野に入れているかどうか。経営に携わりたいのか、診療に専念したいのかも含めて整理しておくとよいでしょう。
■ 今後のキャリアビジョンとライフプラン
どのような医師としてキャリアを築いていきたいのか。ご自身やご家族のライフステージも踏まえながら、将来のビジョンを描いてみることがポイントです。
このように、自分自身の価値観を整理することで、「なんとなく求人を探す」という状態から、「自分に合った働き方を見つける」という視点に変えることができます。次に、それぞれの働き方の特徴について詳しく見ていきましょう。
4:整形外科医が選べるキャリアパスとそれぞれの特徴
整形外科医がキャリアを考える際に選べる主な選択肢としては、次の4つが挙げられます。それぞれの特徴や働き方の違いを整理しておくことで、自分に合った方向性が見えてきます。
病院勤務(手術主体)
急性期病院や地域の基幹病院で手術症例を積み重ねたい医師にとっては、引き続き病院勤務が第一選択肢となります。人工関節置換術や脊椎手術、外傷対応など、整形外科医としての技術を維持・向上できる環境です。特にチーム医療が整っている病院では、若手医師の指導や、他職種連携を通じて学べることも多くあります。
一方で、当直やオンコールがある場合もあり、夜間・休日対応が必要となる点は、ライフプランを考えるうえでの大きなポイントです。症例数を重視するのか、勤務時間のバランスを重視するのか、ここでもご自身の優先順位を確認しておきましょう。また、病院でもオペ無しの募集をしている病院もありますが、その分、給与が抑えられる傾向があります。
クリニック勤務(外来・リハビリ中心)
リハビリテーションや慢性疾患の外来診療を中心とした整形外科クリニックでは、手術の負担を減らし、患者さんとじっくり向き合う働き方が可能です。特に地域医療を担うクリニックでは、骨粗鬆症、変形性関節症、外傷後のフォローアップなど、慢性期・回復期の患者さんへの診療が中心となります。また院長職になると勤務医で働くよりも高給となる可能性が高く、都内でも2000万円を超える求人も多くあります。当直・オンコールがない求人がほとんどで、プライベートとの両立を重視したい医師に選ばれています。一方で、手術症例が減るため、オペ技術を維持したい方には物足りなさを感じることもあるため、ご自身の希望に合わせて選択する必要があります。
自由診療
自由診療を行う医療機関では、保険診療ではカバーできない領域での診療が可能です。具体的には、スポーツ障害の治療、再生医療(PRP療法や幹細胞治療)、筋膜リリースなどが挙げられます。スポーツチームのドクターとして帯同する機会があるケースもあり、特定分野で専門性を深めたい医師に選ばれています。一方で、自費診療の割合が高い場合には、患者さんの集患やブランディング、経営的な視点も求められることがあります。
開業・クリニック継承
自身で開業する、あるいは既存のクリニックを継承して経営に携わるという選択肢もあります。診療方針から経営判断まで自分自身でコントロールできるため、「理想の医療を実現したい」「地域に根差した医療を提供したい」という思いを持つ医師に向いています。クリニック継承(第三者承継)の場合は、すでに患者基盤がある状態からスタートできるため、集患リスクを抑えられるのが特徴です。ただし、経営面やマネジメントにも関わる必要があり、診療以外のスキルも求められる場面があります。経営に関する知識や準備についても早めに情報収集を始めておくことが重要です。
次に、こうした選択肢を検討するうえでの第一歩として、「情報収集」の重要性についてお伝えします。
5:転職活動は「情報収集」からでも始められる
転職活動というと、「すぐに職場を変えたい人」がするものというイメージを持たれるかもしれません。しかし実際には、「今すぐ転職する予定はないが、将来のために情報を集めておきたい」と考える先生も多くいらっしゃいます。例えば、
・今の職場に大きな不満があるわけではないが、他の選択肢も知っておきたい
・どのような求人があるのか、市場感を把握しておきたい
・条件が良いところがあれば検討したい
こうした情報収集の段階で動き出すことが、結果として余裕を持った転職活動につながります。転職を「する」「しない」という二択ではなく、「知っておく」「準備しておく」という選択が、将来の可能性を広げることになります。また、情報収集をしていく中で、「やはり今の職場が自分に合っている」と再確認できることも少なくありません。「選択肢を知ること」は、今の環境を見つめ直すことにもつながる大切なプロセスです。忙しい診療の合間に一人で求人を探すのは大変ですが、転職支援会社を利用することで、希望に沿った求人の提案や条件交渉、情報提供を受けることができます。第三者の視点を取り入れることで、思いがけない新たな選択肢に出会えることもあります。
6:まとめ ― 納得できるキャリアのために
整形外科医のキャリアには、病院勤務、クリニック勤務、スポーツ整形・自由診療、開業・継承など、さまざまな選択肢があります。それぞれにメリットと注意点があり、自分が何を大切にしたいかによって、最適な働き方は変わってきます。「今すぐ転職する」という選択だけが正解ではありません。「まずは情報を知りたい」「今後のために可能性を広げておきたい」――そんな気持ちから動き出すことも、キャリア設計の大切な一歩です。
キャリア選択を考えることは、自分の人生や働き方を見つめ直す機会でもあります。忙しい日々の中でなかなか時間を取るのが難しいかもしれませんが、少し立ち止まって「この先どうありたいか」を考えることが、納得できるキャリアにつながります。私たちメディカルプラスキャリアでは、整形外科医の先生方に向けた求人情報をご紹介しています。すぐの転職に限らず、キャリア設計の一環としてのお問い合わせも歓迎しています。気になる求人がありましたら、ぜひお気軽にお問合せ・ご相談ください。
【転職に関する無料相談はこちら】
常勤:https://career.medicalplus.info/full-time/
非常勤:https://career.medicalplus.info/part-time/
先生の大切なキャリア選択を、私たちが全力でサポートいたします。