こんにちは。医師転職支援会社の「メディカルプラスキャリア」です。
本日は「労働条件(内定)通知書の確認ポイント」をテーマに、コラムを展開してまいります。転職活動で選考が終わった際に、求人施設より「労働条件(内定)通知書」若しくは「雇用契約書」などをいただき、書面にて条件の最終確認を行います。労働条件(内定)通知書や雇用契約書は、転職活動の際にしか見ない方がほとんどかと思いますが、記載内容は入職後の業務や勤務条件など大切なことが記載されています。
入職後の「こんなはずではなかった…」を防ぐためにも、どのようなことが書かれており、どこを注意して見ればよいのか、是非こちらのコラムをご参考ください。
1:労働条件(内定)通知書って何?
「労働条件(内定)通知書」は、法人や求人施設が医師や従業員を雇用する際に、労働条件を具体的に書面で示すための書類です。賃金、労働時間、休日、休暇、福利厚生など、求職医師が入職を判断するうえで重要なことが記載されております。この労働条件(内定)通知書は、「労働基準法第15条、労働準法施行規則第5条」の規定により、求人施設は必ず労働条件通知書を医師や従業員に交付することが義務となっています。
*参考:厚生労働省「労働基準法の基礎知識」
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/150312-1.pdf
労働条件(内定)通知書と似たものとして「雇用契約書」というものがあります。双方、労働条件(仕事内容や給与など)が記載されており似たような書類なので混同してしまいがちですが、役割が異なります。では、それぞれを見ていきましょう。
雇用契約書
採用をする法人や求人施設と、採用される医師や従業員の間で交わされる書類になります。労働条件(業務内容や勤務地・勤務時間・給与等)についての取り決めが記載されており、一般的に2部作成し、労使双方が署名捺印してそれぞれが1部ずつ保管するものです。
労働条件(内定)通知書
雇用契約を結ぶ際に採用をする法人や求人施設から採用される医師や従業員に対して労働条件(業務内容や勤務地・勤務時間・給与等)を通知するための書類になり、転職活動では最終的に採用される医師や従業員が入職の可否を判断するための書類となります。また労働条件通知は労働基準法において義務付けられておりますが、雇用契約書の作成は義務でないので、労働条件(内定)通知書を雇用契約書の代わりとみなされることもあります。
労働条件(内定)通知書が、採用をする法人や求人施設から一方的に通知するものであるのに対して、雇用契約書では採用される医師や従業員の同意や署名捺印(記名押印)を必要としていることから、双方が労働条件について同意していることを示す役割を果たしています。また「労働条件通知書兼雇用契約書」と兼任した書類にすることも可能で、実際の医療法人でも兼任した書類で、選考結果として「労働条件通知書兼雇用契約書」を提示されることもあります。
2:労働条件(内定)通知書の記載
労働条件(内定)通知書は、「必ず明示しなければならない事項」と「定めをした場合に明示しなければならない事項」に分かれています。各事項については下記の通りです。
➀. 労働契約期間に関する事項
➁. 有期労働契約については更新する場合の基準に関する事項(上限の定めがある場合はその内容を含む)
➂. 就業の場所及び従業すべき業務に関する事項(雇用期間中の変更の範囲を含む)
➃. 始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇
➄. 賃金の決定方法、賃金の締切り及び支払の時期
➅. 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
➆. 昇給に関すること
➇. 退職手当に関する事項
➈. 賞与やこれに準ずる賃金に関する事項
➉. 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
⑪. 安全・衛生に関する事項
⑫. 職業訓練に関する事項
⑬. 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
⑭. 表彰及び制裁に関する事項
⑮. 休職に関する事項
上記の項目のうち①~⑦は、全ての場合に必ず明示しなければならない絶対的明示項目です。⑧~⑮については、採用する法人もしくは求人施設が定めをする場合にのみ明示が求められます。
※②については、有期雇用契約の場合にのみ明示が求められます。
それでは。次に各項目についてみていきましょう。
3:労働条件(内定)通知書チェックポイント
転職活動の選考を終え、無事採用となった場合には労働条件(内定)通知書を採用する法人や求人施設から提示があるかと思いますが、労働条件(内定)通知書のどこをチェックすればよいのでしょうか。各項目の説明や注意点について、労働局が作成している労働条件(内定)通知書を用いてご説明いたします。ここでは絶対的明示項目である➀~➆を中心にお伝えいたします。
それでは、さらに詳細をご説明いたします。
➀・➁「労働契約期間に関する事項」
労働契約の期間についての項目です。
期限の定めのない場合には「期限の定めなし」と記載されていますし、「期限の定めがある」場合にはその期間と、期間後の更新の有無や、更新がある場合にはその判断基準が記載されています。契約更新の有無は長く勤務していこうと考えた場合、大切な事項になりますのでこちらの項目確認をしてください。
《※契約期間の無期転換について》
更新を重ね通算5年を超えた場合は、労働者の申込みによって期限の定めのない無期労働契約に転換されるルールがありますが、勤務する先生の「申込み」が必要になり、自動で無期労働契約に変更されることはありませんので、無期労働契約を希望の場合には、勤務施設への「申込み」を忘れないようご注意ください。
➂「就業の場所及び従業すべき業務に関する事項(雇用期間中の変更の範囲を含む)」
就業場所と、業務内容についての項目です。
就業場所については入職する際の勤務施設(病院やクリニック)などの記載とあわせて、将来異動の予定がある、もしくは複数の施設での勤務予定がある場合は勤務する他施設も記載されていますので確認をしてください。
また、業務内容についても、院長候補としてご入職した場合、当初は臨床のみだったとしても、将来は臨床+経営についても業務が発生する場合には、労働条件(内定)通知書の中に「臨床+経営」と記載されています。
ですので、勤務地や業務内容など自身の認識とずれていないかこちらの項目で確認をしてください。
➃「始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇」
勤務時間や休日についての項目です。
ワークライフバランスを考えて転職先を検討している先生や、業務負荷を減らしたいと考えている先生には大切な項目になるかと思います。週何日勤務なのか、休日は何曜日なのか、また訪問診療をおこなう場合には祝日も勤務となるケースも増えていますので、こちらの項目で確認をしてください。
➄・➆・➇「賃金の決定方法、賃金の締切り及び支払の時期」
賃金の内訳や支払い方法などについて記載している項目です。
採用する法人や求人施設によっては、給与を細かい内訳に分けているケースもあります。内訳の各項目の内容については採用する法人や求人施設に確認が必要ですが、注意いただきたい点については残業代の支給になります。採用する法人や求人施設によっては、固定時間外手当を採用しているケースもあり、その場合固定残業手当内の残業については別途での時間外手当の支給はありません。「残業代の支給はあるのか?」という確認についてはこちらの項目を確認してください。
また勤務日数の締め、給与の支払いについて、締め日がいつなのか、支払日がいつなのかにより、最初の給与額や入金時期の確認を取ることができます。例えば、締め日が毎月15日、支払いが翌月末払いだった場合、月初から働いたとしても、最初の給与は翌月の末に半月分となります。慌てることが無いよう確認をしておく必要があります。
➅「退職に関する事項(解雇の事由を含む)」
定年制や退職する際の申し入れの時期について記載している項目です。
ご年齢が高い先生ですと、「いつまで勤務できるのか?」は関心のある項目になるかと思います。また定年後に再雇用の有無があるのかどうかも確認したいところです。
また退職をしなければならなくなった場合、退職意向を伝えるのにあたり、いつまでに退職意向を伝えなければならないのか、こちらの項目も確認いただく必要があります。
4:まとめ
転職を行うにあたり、お悩みやご不安もあるかと思いますが、入職後、「こんははずではなかった」とならないよう、労働条件(内定)通知書を確認する事が重要です。労働条件(内定)通知書を確認し、不明な点などあれば、しっかり問合せをして確認をする必要があります。
メディカルプラスキャリアでは労働条件(内定)通知書の作成段階から、採用する法人や施設と調整をし、転職する医師の先生方が安心して転職できるようサポートしております。
転職をお考えであれば是非メディカルプラスキャリアまでお問合せください。
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